先回からのつづき
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2.統一運動再整備(リポジショニング)の必要性
1)家庭連合と祝福家庭の文化の再整備
ご父母様の本当のレガシーは、
ご父母様が神さまの本然の夢の主人になられたことにある、
と言うことが出来ます。
従って、祝福中心家庭が、
ご父母様のレガシーを受け継ぐ真の相続者であるとすれば、
彼らの使命も同じく、
神様の夢の主人になるということです。
単に、一つの教会や教派の設立では実現されない変革には、
ある摂理的、歴史的な要請があるということを認識することが重要です。
しかし、多くの祝福家庭における信仰生活は、
統一教会を中心とした荒野時代の経験によって形成されたものです。
そのような経験に根ざした狭い観点のために、
祝福家庭は
ご父母様の本当のレガシーと究極的な使命を、
完全に見通すことができずにいます。
その結果、
One Family Under God 建設の夢に根をおいた、
真の家庭の伝統が発現されないままに、
摂理的な目標や使命を志向しない家庭として
残るようになりました。
家庭連合が停滞している直接的な原因は、
まさにここにあります。
家庭連合が、少しずつ既成教会の姿に変わっていくにつれて、
家庭連合の摂理的使命に焦点を合わせることができずにいます。
家庭連合は、宗教圏を超越し、
家庭を中心とする人間社会のすべての分野に至る、
より包括的な運動という方向に
進んで行かなければなりませんでした。
しかし、残念ながら、
このようなお父様の本然の期待とは裏腹に、
既成教会が失敗した方法と構造を、意識的に模倣する
愚を犯すようになりました。
繰り返し述べると、
神さまの夢を実現するという摂理的な運動ではない
「信徒を牧会すること」に焦点を置いた
一つの教団になってしまいました。
これをカイン世界から見ると、
神さまの夢に向かって彼らを導いて行こうとする私たちの全ての努力が、
私たちだけの利益のための利己的なものと映ってしまい、
彼らの信仰伝統に対する
直接的な脅威として見えるようになってしまいました。
彼らは、私たちを
原理が自分たちけの神学とする一つの教団と見なし、
彼らの直接的な競争相手として見た為に、
私たちに敵対的姿勢を取り、私たちを攻撃したのです。
わたしはそれが
お父様が意図されたものではなく、
願ってもおられないことであるということを知っています。
しかし、これが
今まで私たちが作ってきた「間違った」レガシーとなってしまいました。
更に心配なことは、
教会という「組織」が
信仰生活の中心になることにより、
祝福家庭が
摂理的使命に焦点をおかなくなったということです。
神さまは、宗教等の団体が必要ない世の中、即ち、
One Family Under God の世界を実現することにより、
人類が自由に
神さまと交流できるように導いておられます。
その為にお父様は、
家庭連合の創設と共に、
訓読家庭教会摂理を始めるように指示されました。
ところが私たち指導者は、
摂理的目標に方向をアラインさせず、
既存の基盤を維持することにだけに力を注いできました。
その結果、
目標意識と使命感に満ちた文化がなくなり、
生存と平穏な共存のための文化が創られるようになりました。
真の父母様のレガシーを相続するべき
祝福中心家庭が、どこに属しているかに関わらず、
全体的な摂理の方向と正しくアラインできない状態で、
彼らの摂理的責任を
どのようにして成就できるのかという問題は、
非常に深刻です。
それでは、真の家庭はどうでしょうか。
祝福家庭を正しい方向に導いているのか、
そうでなければ摂理的方向と目的を捕らえきれず、
お互いに混乱を作り出しているのではないのか
自問しなければなりません。
私たちが一つの団体を作ろうとするのか、
そうでなければ、神さまの夢を実現しようとしているのか
という質問に、
正しい答えを出さなければならない時です。
わたしは1998年、家庭連合世界副会長に就任して以来、
ご父母様のレガシーと摂理的使命を明確に整理し、
世界のすべての祝福家庭が、
拡大された真の家庭の一員であることを強調して来ました。
そして、
そのような祝福家庭は、
神さまの夢を実現するという
摂理的使命に焦点を合わせる事により、
神さま一真の父母、真の家庭としてつながる
縦的な軸にアラインすることができ、
それによって
真の心情文化の主人として生きていくことができる
と指導しました。
心情文化とは、
神さまのみ旨を実現しようという、
本然の目的に焦点を置いた、
神さま中心の愛に根ざしているのであって、
目的なく共存しようとする、人間的な愛に根をおいたものではない
ということを認識することが重要です。
わたしが現場を訪問した時、
メンバーの苦労を知っていましたが、わたしは
彼らに対し、神さまの夢を成就するために、
更に一生懸命頑張ろうと激励しました。
何故ならば、特に今のような摂理の重大な時点において、
それこそが
私たち祝福中心家庭が本当に解放され、
ご父母様の本当のレガシーを相続することができる
唯一の道だと信じているからです。
わたしは、彼らが責任分担を完遂することによって、
歴史の流れを神様のみ旨にアラインさせることができる
「頂点」に立っている
ということを、
彼らに伝えようと努力してきました。
今この瞬間、私たちは二つの分かれ道に立っています。
行くべき本然の道を選ぶことにより、
偉大なリーダーシップと自己犠牲を発揮し、
未来に大きな賞をもらうこともできれば、
一方では現実と妥協して、
現在の基盤を維持しようとする利己心により、
方向感覚を失ったまま辺境の永遠の放浪者になることもありえます。
この世界を神さまの懐に再び取り戻す道を続けて進むのか、
それとも一つの新しい宗団として残るのかを選択する
分かれ道に立っているのです。
早急に前進するべき重大な摂理の時を迎え、
私たち祝福家庭には、
今こそ神さまの夢に向かって前進することができる
ビジョンと方向が必要です。
また、神さまの夢の実現という
最終目標に向かって行くにおいて、
人間的な性向でなく、
神さま中心の
真なる心情文化が現れなければなりません。
そのようになってこそ、私たちは
前進できるのです。
次につづく