以下は、2013年10月18日、ソウルで開催された
第2回MSMI国際セミナーでの基調演説(郭錠煥)
「文鮮明先生の摂理史観と天一国創建時代の歴史認識」
からです▼
歴史的事実の正しい解釈の為の歴史観は、
人生の正しい目的を志向させ、
生きる姿勢を真っ直ぐに正し、
整理された生涯を生きることができるようにしてくれます。
正しい歴史観に従って意味ある人生を営めば、
自動的に未来に良い結果を結ぶようになります。
このような点で正しい歴史認識は、
歴史を研究する研究者や一部の学者にのみ必要なのではなく、
正しい人生の目的を追求する万民が共に考えるべき課題だと思います。
歴史とその意義に関する研究は、
既に多くの学者たちによって成されてきました。
多くの人々は、主に外的な政治・経済的現実の変化に焦点を当てて
歴史を展望する国家興亡史を中心に研究したり、
アーノルド・トインビー博士のような人は、
人類の挑戦と応戦の過程を中心とした文化圏史に焦点を当てて研究しました。
またマルクスとエンゲルスの唯物史観は、
既に100年を越えて全世界にわたり多くの人々に影響を与えてきました。
それにも関わらず人類は、悠久なる歴史を通して
その裏面には見えない神が歴史を主導しており、
神のみ旨によって治められているという天道と、
神を中心とした摂理史観を主張してきたことも事実です。
1. 蕩減復帰摂理歴史
私は今日、常に尊敬する文鮮明総裁の摂理史観をご紹介して、
この方の摂理史観を深く研究して下さるように懇切にお願いしようと思います。
今回の国際セミナーは、正に総裁の摂理史観を深く研究する時間となるでしょう。
歴史観の正しい定立の意味は、
私たちが現在どこに立っており、
どこに向かって進んでいるのかを正確に認識することにあります。
特に現時点の統一家の兄弟姉妹たちは、
この問いについて深刻に考えるべきだと思います。
文鮮明総裁は、
これまで多くの宗教人たちが語ってきた単純な歴史観ではなく、
人間の責任分担を強調されながら、
蕩減復帰摂理史観によって私たちを覚醒して下さいました。
総裁は長い間の瞑想と探求を通して、
人類歴史の背後に
神のみ旨と天道が作用していることが間違いないだけでなく、
人類が一度も経験したことのない蕩減復帰、
言い換えれば神の摂理と人間の責任分担を解説する
蕩減復帰摂理史観を通して、
人類歴史を理解することができる基準を作って下さいました。
私は総裁が教えて下さった統一原理を通して、
この蕩減復帰摂理を学ぶようになり、
世界各国で行った講義と
日常生活で総裁が説破された歴史認識、
即ち蕩減復帰摂理に対して、
並々ならぬ生き甲斐と感謝を常に感じています。
私が出会った世界の多くの碩学たちの研究を通しても、
文総裁の蕩減復帰摂理史観は、
真に独歩的で素晴らしい史観であるという事実を知らされます。
総裁の蕩減復帰摂理史観の核心内容を簡単に申し上げましょう。
第一に、
人間は見える世界において、
多様な因縁と出来事を通して人生を生き歴史を続けていますが、
その背後には
神が実在されながら、
神が目的とされる方向に
人類歴史と宇宙万象が具現されているのです。
第二に、
歴史の背後に神がおられて、
神が意図される目的に向かって人類歴史は進みますが、
神の摂理の完成には、
必ず人間の責任分担が必要なのです。
神と人間は父母と子女の関係として作られました。
神が人間に責任分担を下さり、神の創造の聖業に同参することによって、
人間が神の子女としてその価値を自ら現わすようにされたのです。
人間を除いた被造万物は、神の創造過程の時空間的過程を通して完成されますが、
人間は自身の責任分担を通して神の創造の聖業に同参することによって、
神の創造理想とみ旨の相続を受けることができる資格を賦与されるのです。
それは人間が、被造万物と違って
第二の創造主の資格を持つようになった本質でもあります。
言い換えれば、人間の責任分担は、
被造万物の中で専ら人間だけが創造の能力を持っており、
他の被造万物を主管する立場にあるという事実を立証する根拠でもあります。
結局、人類歴史の完成は
神の経綸によってのみ成されるのではなく、
人間自分の責任と選択によって結果が変わるのです。
神は、人間が子女として責任分担完成を通して、
神の創造理想である地上・天上天国を成すことを願われましたが、
人間は神の願いとは反対に、
堕落によって罪と葛藤と無知の存在になりました。
結局、堕落した人間は地上・天上天国とは遠くかけ離れた
堕落した罪悪世界を作ったのです。
統一原理で説明すると、
神の愛によって創造された人間が神の子女としての本来の姿を失った理由は、
神と人間に対して僕(しもべ)の立場にあった霊的存在の天使長が、
未完成状態だった人間を非原理的な愛で誘惑し、
人間本来の位相を喪失させたということです。
それ以後、人間は
神の子女としての本然の価値を失ったまま、
罪悪歴史を作ってきたのです。
結果的に神が人類と全宇宙を創造した本来の目的は、
人間自身の責任により堕落の姿を脱いでしまうまで、
未完成の状態で残るしかなくなったのです。
結局、人間の本来の父母は創造主・神ですが、
人間がサタンと非原理的な愛によって堕落したため、
神の代わりにサタンに父母として仕える呆れた事情が作られるようになったのです。
(2. 復帰摂理は再創造摂理)
につづく