さて、古川健治さんより
新刊「天啓」創世記物語Ⅳ
が最近発売されました
さらっと平易な言葉で綴られていますが、
最初の数頁の内容(抜粋)は
はこうです
引用します
▽
アブラムは神を尊び、心から敬愛していた。
アブラムにとって、神は当然にあるべき存在だった。
それゆえ、彼は日常生活の中で、神とともに生きた。
自分の身のまわりに妻がいるように、アブラムの身のまわりには神がいた。
夫と妻がともに暮らし、生を営むことが自然なように、
アブラムの生活の中には神が生きていた。
アブラムが神とともに生きるのは、自然なことだった。
無理することなく、特に意識しようとすることもなかった。
彼は幼少の頃から、神の存在を感じていた。
彼の日常に、神が存在することは、
大地の上に草木が生えているのと同じようなものだった。
それは、自然な姿だったのである。
アブラムは、父テラから「預言者の杖」を受け継いでいた。
またアブラムは、自身の人生において、様々な苦難や試練を乗り越えてきて、
今では日並み以上の人格も身につけていた。
アブラムは、世間の評価など気にしていなかった。
アブラムの価値観は、人とは違っていた。
彼は、人から認められようが認められまいが、
そんなことはどうでもよかった。
アブラムにとっては、神に認められることこそが、何よりも大事な事だったのである。
アブラムにとっては、預言者として立つ前に、
神とともにいることが、彼の生きる、ということだったのである。
そこに、彼の生きる意義があった。
アブラムにとっては、神が自分とともにいてくれてこそ、
明日に向かうことができたし、将来に希望を持つことができたのである。
預言者アブラムにとって、神の存在は、安心の拠り所だったのである。
アブラムにとって、神は生きる源となっていた。
時に、神はアブラムにあらわれて言われた。
「わたしはあなたの子孫にこの地を与えよう」
神の約束をアブラムは聞いた。
△(引用終わり)
***
「わたしはあなたの子孫にこの地を与えよう」
このように神がアブラムにあらわれて言われた時
アブラムはどこにいて何歳だったのでしょうか?
アブラムはハランにいて 75歳でした
アブラムは誰の子で
どこで生まれ育ったのでしょうか?
アブラムの父はテラで カルデヤのウルで生まれ ウルで育ちました
創世記を見てみましょう
▼
テラは七十歳になってアブラム、ナホルおよびハランを生んだ。
テラの系図は次のとおりである。
テラはアブラム、ナホルおよびハランを生み、ハランはロトを生んだ。
ハランは父テラにさきだって、その生れた地、カルデヤのウルで死んだ。
アブラムとナホルは妻をめとった。
アブラムの妻の名はサライといい、
ナホルの妻の名はミルカといってハランの娘である。
ハランはミルカの父、またイスカの父である。
サライはうまずめで、子がなかった。
▲(創世記 第11章26~30節)
アブラムがハランにいて75歳になった時に
初めて神があらわれたのでしょうか?
それ以前にも神があらわれています
使徒言行録を見てみましょう
▼
大祭司は「そのとおりか」と尋ねた。
そこで、ステパノが言った、
/「兄弟たち、父たちよ、お聞き下さい。
わたしたちの父祖アブラハムが、カラン(ハラン)に住む前、
まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて仰せになった、
『あなたの土地と親族から離れて、あなたにさし示す地に行きなさい』。」
▲(使徒言行録 第7章1~3節)
***
神はカルデヤのウルにいたアブラムにあらわれ
「あなたの土地と親族から離れて、あなたにさし示す地に行きなさい」
と言われたのです
アブラムはウルを出てカナンに向かいます
そのときは父テラ
甥ロト
妻サライも一緒です
そして途中ハランに着いて
そこに住みます
住むと言ってもジプシーのような放浪の旅でした
このハランで 父テラが死にました
創世記を見てみましょう
こうあります
▼
テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤのウルを出たが、ハランに着いてそこに住んだ。
テラの年は二百五歳であった。テラはハランで死んだ。
▲(創世記 第11章31~32節)
***
アブラムは父テラから「預言者の杖」を受け継ぎました
そしてハランで神がアブラムにあらわれます
創世記を見てみましょう
▼
時に主はアブラムに言われた、
「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。
わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」。
アブラムは主が言われたようにいで立った。
ロトも彼と共に行った。
アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。
アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。
アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。
そのころカナンびとがその地にいた。
時に主はアブラムに現れて言われた、
「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。
アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
彼はそこからベテルの東の山に移って天幕を張った。
西にはベテル、東にはアイがあった。
そこに彼は主のために祭壇を築いて、主の名を呼んだ。
アブラムはなお進んでネゲブに移った。
▲(創世記 第12章1~9節)
***
このように
父テラが205歳で死に、アブラムが75歳のとき、
再び神の声が与えられたのです。
ハランからの旅立ち、
そして「あなたを大いなるものとする」という神の約束、
それはアブラムにとって
新たな出発でもありました。
***
それから24年の歳月を経ました
アブラムは99歳になっていました
その間 常に 神は
アブラムにとって生きる源でした
そしてこのとき再び、神があらわれて
アブラムに
アブラハムと呼ぶようにされたのです。
創世記にこうあります
▼
「これが、あなたと結ぶわたしの契約である。
あなたは多くの国民の父となる。
あなたの名は、もはや、アブラムとは呼ばれない。
あなたの名はアブラハムとなる。
わたしがあなたを多くの国民の父とするからである。」
▲(創世記 第17章4~5節)
そこに込められた
神の願いは
何だったのでしょうか?
つづく