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アブラハムの召命(1)

さて、古川健治さんより
新刊「天啓」創世記物語Ⅳ
が最近発売されました

さらっと平易な言葉で綴られていますが、
最初の数頁の内容(抜粋)は
はこうです
引用します

アブラムは神を尊び、心から敬愛していた。
アブラムにとって、神は当然にあるべき存在だった。
それゆえ、彼は日常生活の中で、神とともに生きた。
自分の身のまわりに妻がいるように、アブラムの身のまわりには神がいた。
夫と妻がともに暮らし、生を営むことが自然なように、
アブラムの生活の中には神が生きていた。
アブラムが神とともに生きるのは、自然なことだった。
無理することなく、特に意識しようとすることもなかった。
彼は幼少の頃から、神の存在を感じていた。
彼の日常に、神が存在することは、
大地の上に草木が生えているのと同じようなものだった。
それは、自然な姿だったのである。

アブラムは、父テラから「預言者の杖」を受け継いでいた。
またアブラムは、自身の人生において、様々な苦難や試練を乗り越えてきて、
今では日並み以上の人格も身につけていた。

アブラムは、世間の評価など気にしていなかった。
アブラムの価値観は、人とは違っていた。
彼は、人から認められようが認められまいが、
そんなことはどうでもよかった。
アブラムにとっては、神に認められることこそが、何よりも大事な事だったのである。

アブラムにとっては、預言者として立つ前に、
神とともにいることが、彼の生きる、ということだったのである。
そこに、彼の生きる意義があった。
アブラムにとっては、神が自分とともにいてくれてこそ、
明日に向かうことができたし、将来に希望を持つことができたのである。
預言者アブラムにとって、神の存在は、安心の拠り所だったのである。
アブラムにとって、神は生きる源となっていた。

時に、神はアブラムにあらわれて言われた。
「わたしはあなたの子孫にこの地を与えよう」

神の約束をアブラムは聞いた。

△(引用終わり)

***

「わたしはあなたの子孫にこの地を与えよう」
このように神がアブラムにあらわれて言われた時
アブラムはどこにいて何歳だったのでしょうか?

アブラムはハランにいて 75歳でした

アブラムは誰の子で
どこで生まれ育ったのでしょうか?

アブラムの父はテラで カルデヤのウルで生まれ ウルで育ちました

創世記を見てみましょう

テラは七十歳になってアブラム、ナホルおよびハランを生んだ。
テラの系図は次のとおりである。
テラはアブラム、ナホルおよびハランを生み、ハランはロトを生んだ。
ハランは父テラにさきだって、その生れた地、カルデヤのウルで死んだ。
アブラムとナホルは妻をめとった。
アブラムの妻の名はサライといい、
ナホルの妻の名はミルカといってハランの娘である。
ハランはミルカの父、またイスカの父である。
サライはうまずめで、子がなかった。
▲(創世記 第11章26~30節)

アブラムがハランにいて75歳になった時に
初めて神があらわれたのでしょうか?

それ以前にも神があらわれています

使徒言行録を見てみましょう

大祭司は「そのとおりか」と尋ねた。
そこで、ステパノが言った、
/「兄弟たち、父たちよ、お聞き下さい。
わたしたちの父祖アブラハムが、カラン(ハラン)に住む前、
まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて仰せになった、
『あなたの土地と親族から離れて、あなたにさし示す地に行きなさい』。」
▲(使徒言行録 第7章1~3節)

***

神はカルデヤのウルにいたアブラムにあらわれ
「あなたの土地と親族から離れて、あなたにさし示す地に行きなさい」
と言われたのです

アブラムはウルを出てカナンに向かいます
そのときは父テラ
甥ロト
妻サライも一緒です
そして途中ハランに着いて
そこに住みます
住むと言ってもジプシーのような放浪の旅でした
このハランで 父テラが死にました

創世記を見てみましょう
こうあります

テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤのウルを出たが、ハランに着いてそこに住んだ。
テラの年は二百五歳であった。テラはハランで死んだ。
▲(創世記 第11章31~32節)

***

アブラムは父テラから「預言者の杖」を受け継ぎました
そしてハランで神がアブラムにあらわれます

創世記を見てみましょう

時に主はアブラムに言われた、
「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。
わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、/あなたによって祝福される」。

アブラムは主が言われたようにいで立った。
ロトも彼と共に行った。
アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。

アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。

アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。
そのころカナンびとがその地にいた。

時に主はアブラムに現れて言われた、
「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。

アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
彼はそこからベテルの東の山に移って天幕を張った。
西にはベテル、東にはアイがあった。
そこに彼は主のために祭壇を築いて、主の名を呼んだ。

アブラムはなお進んでネゲブに移った。
▲(創世記 第12章1~9節)

***

このように
父テラが205歳で死に、アブラムが75歳のとき、
再び神の声が与えられたのです。

ハランからの旅立ち、
そして「あなたを大いなるものとする」という神の約束、
それはアブラムにとって
新たな出発でもありました。

***

それから24年の歳月を経ました
アブラムは99歳になっていました
その間 常に 神は
アブラムにとって生きる源でした

そしてこのとき再び、神があらわれて
アブラムに
アブラハムと呼ぶようにされたのです。

創世記にこうあります

「これが、あなたと結ぶわたしの契約である。
あなたは多くの国民の父となる。
あなたの名は、もはや、アブラムとは呼ばれない。
あなたの名はアブラハムとなる。
わたしがあなたを多くの国民の父とするからである。」
▲(創世記 第17章4~5節)

そこに込められた
神の願いは
何だったのでしょうか?

つづく